日本の特許は世界で何位?横浜の特許事務所がランキングと技術大国の今を分かりやすく解説!

「日本の技術力は世界一ィィィ!」そう思っていた時代は、少し昔のことかもしれません。しかし、日本の技術力が今なお世界トップクラスであることは、様々な指標で示されています。その一つが「特許出願件数」です。
自社の革新的な技術を守り、ビジネスを優位に進めるための特許。その出願数で、日本は世界でどの位置にいるのでしょうか?
今回は、最新のデータを基に日本の特許ランキングを分かりやすく解説し、日本の技術大国の現在地と未来を紐解いていきます。
気になる最新ランキング!日本の実力は?
早速ですが、結論からお伝えします。
世界知的所有権機関(WIPO)が発表した最新の報告書(2023年データ)によると、日本の特許出願件数は世界で第3位です。
| 順位 | 国名 | 特許出願件数 |
| 1位 | 中国 | 約167.7万件 |
| 2位 | 米国 | 約59.8万件 |
| 3位 | 日本 | 約30.0万件 |
| 4位 | 韓国 | 約24.3万件 |
| 5位 | 欧州特許庁(EPO) | 約19.9万件 |
長年、日本は米国に次ぐ世界第2位の座を維持していましたが、近年、驚異的なペースで出願件数を伸ばす中国が1位となり、日本は3位というポジションにいます。
また、世界中で共通の特許権を取得できる「国際特許出願(PCT出願)」のランキングにおいても、日本は中国、米国に次いで第3位となっており、グローバルな知財戦略においても重要な地位を占めていることが分かります。
ランキングの今昔物語 – 技術大国の変遷
「あれ?日本は2位じゃなかったの?」と思われた方もいるかもしれません。その通り、かつて日本は「特許大国」として、長らく世界第2位の地位を確固たるものにしていました。
しかし、2010年代以降、中国が国を挙げて知財戦略を強化し、出願件数を爆発的に増加させました。日本の出願件数が大きく減少したわけではありませんが、中国の圧倒的な伸びによって、現在のランキングとなっています。
これは、世界における技術開発の勢力図の変化を象徴する出来事と言えるでしょう。
日本の強みはどこ?世界で戦う日本の企業たち
全体の順位は3位ですが、日本の技術力が衰えたわけではありません。企業別の特許出願ランキングを見ると、日本の企業の名前が数多く並びます。
WIPOの国際特許出願人のランキング(2023年)では、三菱電機が4位にランクインしているほか、上位にはトヨタ自動車、パナソニック、ソニー、キヤノンといった日本を代表する企業が名を連ねています。
これらの企業は、特に以下の分野で高い競争力を維持しています。
- 自動車関連技術: ハイブリッド技術、自動運転、バッテリーなど
- エレクトロニクス: 半導体、通信技術、イメージング技術など
- 材料・化学: 高機能素材、環境技術など
これらの分野では、単に出願件数が多いだけでなく、質の高い重要な特許を数多く保有しており、日本の技術的な優位性を支えています。
これからの日本 – 量から質への転換
中国との出願件数の差は大きいものの、悲観する必要はありません。これからの日本の知財戦略で重要になるのは、「量」だけでなく「質」の高い特許をいかに生み出していくかです。
一つの発明を多角的に保護する戦略や、将来のビジネスの核となるような基本特許の取得がますます重要になります。また、AI、IoT、グリーンエネルギーといった新しい成長分野で日本がリーダーシップを発揮できるかどうかが、未来のランキングを左右する鍵となるでしょう。
まとめ
今回は、日本の特許ランキングについて解説しました。
- 日本の特許出願件数は世界第3位
- かつては2位だったが、中国の台頭により順位が変動
- 自動車やエレクトロニクス分野では今なお世界トップクラスの技術力を持つ
- 今後は「量」だけでなく「質」の高い特許戦略が重要に
順位の変動はありますが、日本が世界有数の「技術大国」「特許大国」であることに変わりはありません。これからも日本の企業が生み出す革新的な技術と、その知財戦略に注目していきましょう。
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