特許は何年で取れる？出願から登録までの期間を徹底解説！

「画期的なアイデアを思いついた！」「この技術を独占したい！」

そんな時に頼りになるのが「特許」です。しかし、特許を取りたいと思っても、どれくらいの時間がかかるのか、手続きが複雑そう…と不安に思う方も多いのではないでしょうか。

この記事では、特許の出願から権利取得までにかかる期間の目安と、具体的な手続きの流れ、そして期間を短縮する方法まで、初心者の方にも分かりやすく解説します。

まずは結論！特許取得にかかる平均期間は？

特許出願をしてから権利が登録されるまでにかかる期間は、平均して約1年半から2年程度です。

ただし、これはあくまで目安。特許の内容（技術分野）や審査の状況によって、これより短くなることもあれば、3年以上かかるケースもあります。

では、なぜこれほどの時間がかかるのでしょうか？その理由を、特許取得までの具体的なステップと合わせて見ていきましょう。

特許取得までの8つのステップと期間の内訳

特許を取得するまでには、大きく分けて以下の8つのステップを踏む必要があります。それぞれのステップでどれくらいの時間がかかるのか、目安期間も一緒にご紹介します。

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【ステップ1】先行技術調査

• 期間の目安：数日～1ヶ月程度

自分のアイデアが本当に新しいものか、すでに同じような技術が公開されていないかを調査します。ここを疎かにすると、後の審査で特許が認められない可能性が高まります。自分で行うこともできますが、専門家に依頼するのが確実です。

【ステップ2】特許出願書類の作成

• 期間の目安：1ヶ月～3ヶ月程度

調査が終わったら、特許庁に提出する書類を作成します。アイデアを文章や図面で具体的に説明し、「特許請求の範囲」で権利を取りたい範囲を明確にする、非常に重要なステップです。弁理士などの専門家に依頼するのが一般的です。

【ステップ3】特許庁への出願

• 期間の目安：1日

作成した書類を特許庁に提出します。これで「出願日」が確定します。

【ステップ4】出願審査請求（★重要ポイント）

• 期間の目安：出願から3年以内

特許出願しただけでは、審査は始まりません。「この出願を審査してください」と特許庁にお願いする手続きが「出願審査請求」です。この請求は、出願日から3年以内に行う必要があります。

いつ請求するかによって、特許取得までの全体の期間が大きく変わります。すぐに権利化したい場合は出願と同時に請求しますが、事業の状況を見ながら請求時期を決めることも可能です。

【ステップ5】特許庁による審査

• 期間の目安：平均10ヶ月程度

審査請求が行われると、ようやく特許庁の審査官による審査がスタートします。このアイデアが本当に新しく、特許に値するかどうかが専門的に判断されます。この審査の順番待ちに時間がかかるため、1年近く待つのが一般的です。

【ステップ6】拒絶理由通知への対応（審査で指摘があった場合）

• 期間の目安：2ヶ月～数ヶ月

審査の結果、「このままでは特許にできませんよ」という「拒絶理由通知」が届くことがよくあります。これに対して、出願者は意見を述べたり（意見書）、書類の内容を修正したり（手続補正書）して反論します。このやり取りが続くと、その分だけ期間は長くなります。

【ステップ7】特許査定

• 期間の目安：通知から1ヶ月程度

拒絶理由が解消されると、晴れて「特許査定」の通知が届きます。「あなたのアイデアを特許として認めます」という合格通知です。

【ステップ8】特許料の納付・設定登録

• 期間の目安：査定から30日以内

特許査定の謄本が届いてから30日以内に、特許料（第1年～第3年分）を納付します。納付が確認されると、特許権が設定・登録され、正式にあなただけの権利となります。

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なぜ期間が変動するの？3つの要因

1. 技術分野 化学や医薬品などの分野は、審査に時間がかかる傾向があります。一方で、ビジネスモデルやIT関連は比較的早い場合もあります。
2. 審査の状況（拒絶理由の有無） ステップ6で説明した「拒絶理由通知」への対応がスムーズに進むか、複数回やり取りが発生するかで期間は大きく変わります。
3. 早期審査制度の利用 「もっと早く特許が欲しい！」という場合に利用できる制度があります。

【裏ワザ】特許を早く取るなら「早期審査」を使おう！

審査期間を平均2～3ヶ月に短縮！

「早期審査制度」とは、一定の条件を満たす出願について、通常より早く審査を行ってもらえる制度です。

早期審査のメリット

最大のメリットは、何と言ってもそのスピードです。通常は平均10ヶ月ほどかかる審査期間が、早期審査を利用すると平均2～3ヶ月にまで短縮されます。

どんな人が使えるの？

• 中小企業、個人事業主、大学、公的研究機関などが出願人である場合
• すでに製品化しているなど、事業として実施している／準備している場合
• 海外にも出願している場合（外国関連出願）

など、いくつかの条件があります。多くの中小企業やスタートアップがこの制度の対象となります。

注意点

早期審査の申請自体に費用はかかりませんが、申請書類の作成を弁理士に依頼する場合は別途費用が発生することがあります。また、審査が早まる分、拒絶理由への対応もスピーディーに行う必要があります。

まとめ

最後に、この記事のポイントをまとめます。

• 特許取得までの平均期間は約1年半～2年。
• 期間は**「出願審査請求」をいつ行うか**で大きく変わる。
• 審査には平均10ヶ月ほどかかる。
• 「早期審査制度」を利用すれば、審査期間を2～3ヶ月に短縮できる可能性が高い。

特許取得は時間と労力がかかりますが、自社の技術やアイデアを守るための非常に強力な武器となります。ご自身のケースでどれくらいの期間がかかりそうか、また、早期審査が利用できるかなど、より詳しく知りたい場合は、遠山弁理士に相談してみることをお勧めします。